冷徹ホテル王の最上愛 ~天涯孤独だったのに一途な恋情で娶られました~
バスタオルを敷いて、寝そべる美鈴の首の下と目の上にホットタオルをあてた。
美鈴がふーっと息を吐いたのを見て、日奈子は部屋の照明を少し落とした。
「パーティって、苦手なのよね」
美鈴が呟いた。そして目元のタオルを少し上げて日奈子を見た。
「こういう仕事してるのに、変でしょう? ランウェイを歩くのは好きなんだけど、見ず知らずの人たちに愛想を振りまくのは苦手なの」
日奈子は少し考えてから口を開いた。
「いえ……。意外だなとは思いますが、変だとは思いません」
彼女はモデルで、ランウェイを歩くのが本職だ。
愛想を振りまく仕事ではない。仕事柄パーティは見慣れているが、緊張を強いられる場というのは間違いない。
日奈子の答えに満足したのか、美鈴がわずかに微笑んでホットタオルをもとに戻した。
このままそっとしておいた方がよいと判断し日奈子が盆を持って下がろうとする。でもその時、ドアがノックされて、女性スタッフが入ってきた。
「鳳さま、当ホテルの九条がご挨拶したいと申しておりますが……」
日奈子の胸がドキンとする。『当ホテルの九条』とはすなわち宗一郎のことだ。
「……日を改めましょうか?」
スタッフは遠慮がちに提案する。美鈴がすでにバスローブ姿だからだ。
ビジネス上の関係者で、しかも異性と会うには差し障りがある。でも彼女はタオルを外し、起き上がった。
美鈴がふーっと息を吐いたのを見て、日奈子は部屋の照明を少し落とした。
「パーティって、苦手なのよね」
美鈴が呟いた。そして目元のタオルを少し上げて日奈子を見た。
「こういう仕事してるのに、変でしょう? ランウェイを歩くのは好きなんだけど、見ず知らずの人たちに愛想を振りまくのは苦手なの」
日奈子は少し考えてから口を開いた。
「いえ……。意外だなとは思いますが、変だとは思いません」
彼女はモデルで、ランウェイを歩くのが本職だ。
愛想を振りまく仕事ではない。仕事柄パーティは見慣れているが、緊張を強いられる場というのは間違いない。
日奈子の答えに満足したのか、美鈴がわずかに微笑んでホットタオルをもとに戻した。
このままそっとしておいた方がよいと判断し日奈子が盆を持って下がろうとする。でもその時、ドアがノックされて、女性スタッフが入ってきた。
「鳳さま、当ホテルの九条がご挨拶したいと申しておりますが……」
日奈子の胸がドキンとする。『当ホテルの九条』とはすなわち宗一郎のことだ。
「……日を改めましょうか?」
スタッフは遠慮がちに提案する。美鈴がすでにバスローブ姿だからだ。
ビジネス上の関係者で、しかも異性と会うには差し障りがある。でも彼女はタオルを外し、起き上がった。