その狂愛からは、逃れられない。
それが合図かのように、光は唇を蓮華の首筋に移動して、舐めるように地肌にキスを繰り返す。
そしてもう一度服の中に入り込む手。シルクのように手触りの良いそれは、パジャマというよりはネグリジェと呼んだ方が近いかもしれない。
背中を直に摩るように撫でる手に、蓮華は「ひゃっ……!?」と高い声を上げた。
自分でも聞いたことのない自分のソウイウ声に、思わず閉じていた目を開いて、すぐにギュッと閉じて唇を噛んだ。
───恥ずかしいっ!
光はそんな蓮華の様子を上目遣いで見つめ、嬉しそうにニヤッと口角を上げた。
そこから覗く八重歯が、やけにいやらしい。
そのまま横になるようにソファに押し倒された体。
首を左右に何度も振るものの、その度に光は嬉しそうにする。
抵抗すればするほど悦ぶのだと、初めて気が付いた。
しかし、今更それに気が付いたところで、もう遅い。
「……諦めろよ」
ガッと掴まれた前髪。プチ、と髪の毛が数本抜ける音と痛みが走る。
「……俺が今夜、お前のこと寝かすとでも思ってんの?」
その言葉と同時に襲ってきた甘い刺激に、蓮華は目の前が真っ暗になりながらも悲鳴のような声を上げた。
───甘くて苦い夜は、それから日が登るまで続いた。