秘密の夏。それを恋と呼ぶなら。
 僕にできるのは彼女に喜んでもらうこと。もっと喜んで欲しい。もっと。

 柔らかいふくらみを揉んで、すくい上げて揉んだ。左右の固い尖りを摘んで触って擦ってみる。

「うっ、く、ああ、いや」

 もっと、もっと喜んで欲しいよ。ねえ。もっとその声を聞かせて。

「ああ、あっ、う」

 いつものようの、彼女の体にビクッ、ビクッと震えが走り、空白の瞬間がやってきた。風が彼女の長い髪を揺らす。立ち尽くす僕の耳に、蝉の声が戻ってくる。
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