悪役令嬢モノの悪役ヒロインに転生してしまった(嘘だと言って!)

乙女ゲーム『みんなの願いと紅茶姫』

 ミリーが私の準備をしている間に、少し私とこの世界について説明しよう。

 前世の私は、『鈴木 愛(すずき あい)』という名前だった。
身長は今のように小柄で、眼鏡を掛けており、漫画や小説を読むのが好きなただの地味な女子高生だったと思う。

 それでも友達には恵まれていて、漫画や小説について話したり、乙女ゲームについて語られたりするのが好きだった。

 そして、この乙女ゲームの名は"みんなの願いと紅茶姫"、通称"みなティー"。

 ヒロインのレティーシア・フレンツは、男爵家の令嬢である。

 10歳の魔力鑑定で聖属性が発覚した彼女は、13歳になり、学園に通うことになるのだ。

 そこでは、第1王子、第2王子、騎士、この学校の教師の4人の攻略対象と出会い、仲を深めながら知識や能力を身に着けていき、聖女となる資格を身に着けていく。

 そこで邪魔をしてくるのは、同じ聖女候補であり、公爵令嬢のマリア・スカーレット。

自分よりも優秀で、可愛さと美しさを兼ね添えた容姿を持つヒロインに嫉妬し、様々な嫌がらせを仕掛けてくる。

 ヒロインが、攻略対象であり悪役令嬢の婚約者でもある第一王子を攻略した場合、その嫌がらせは更に苛烈になっていく。

 16歳を迎えたヒロインは、卒業パーティーで悪役令嬢を断罪することによって第1章のハッピーエンドを迎える。

 バッドエンドの場合、悪役令嬢の仕向けた暗殺者によって殺されたり、学園の成績が悪ければ落第してしまったり、退学になってしまったりする。
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