悪役令嬢モノの悪役ヒロインに転生してしまった(嘘だと言って!)
 あるとき、この世界に生まれついたのなら誰しもが持っているはずの魔力を持たない貴族が生まれた。平民でも多少は持っているのに、だ。

 そのことに不満を覚えた彼は、そのうちまわりのものに悪意を向けるのに夢中になっていった。

 向けた悪意はやがて呪いとなり、人を恨む気持ちは瘴気となって人々を傷つけた。

 瘴気は植物を害し、動物を魔物に変え、どんどんその国を悪化させていった。
 
 これが魔王の誕生だ。

 今にも滅びてしまう、そういったとき。

 一人の少女が現れ、魔王を倒し、その国に平和をもたらした。

 女神様は、魔王から国、いや世界を救うために、聖属性を使える少女を異世界から送り込んだ。それが、のちの聖女。

 聖属性とは、光属性のように回復させることができたり、結界を張って自分や味方を守ったりできるものだ。

 しかし光属性と違うのは、その回復の精度。傷を癒やし病を治すだけでなく、失った手足をも再生させることができ、奇跡と呼ばれていた。

 しかし、スキをつかれ劣勢に追い込まれてしまう。
 
 その時、女神が勇者を召喚し、二人とその他の兵士や聖騎士を中心とした人たちが力を合わせることで、ようやく魔王を倒すことができたのだった。
< 2 / 52 >

この作品をシェア

pagetop