悪役令嬢モノの悪役ヒロインに転生してしまった(嘘だと言って!)

告白

「信じてもらえないかもしれないけれど、昨日頭を打ったときに…前世の記憶を思い出したの。」

「前世ってなあに?」

「前世って言うのは、『この世に生まれる前の人生』なんだって。それを思い出して、もう前世の家族や仲のいい友達にあえないと思うと、なんだか涙が止まらなくなっちゃって…」

 そのとき、お父さんが立ち上がり、私の方に近づいてくる。
 
 どうしよう、やっぱり変な子って思われたかな?

 怒られるっと身構えていたが、ふわっと抱きしめられてびっくりする。

「辛かっただろう?でも、大丈夫だ。元の場所には戻れないが、これからは私達家族でいっしょに暮らしていこう。」

とお父さんが優しく言った。

「信じてもらえるのですか?!」

「ええ、この国には前世の記憶をもって生まれる子供が多いのよ。あなたもそうだったのね。だとしたら、朝のは納得行くわ。」

「お姉ちゃん、ぼくはどんなお姉ちゃんでも、だ〜い好きだよ!」
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