悪役令嬢モノの悪役ヒロインに転生してしまった(嘘だと言って!)
「僕もだ。なんせ、我らのかわいい"紅茶姫"なんだからな。家族なんだし、そんなに畏まらなくていいよ!」

 その言葉に再び涙が溢れそうになったが、ぐっと堪えた。

「みんな、ありがとう!これからもよろしくおねがいします!」

私はとても嬉しくなり、挨拶をしたあともう1回泣いてしまった。

数10分後。

「そういえば、今までのレティーシアとして生きていた記憶は残っているのか?」

 ご飯を食べ終えた兄が聞いてくる。
 
「うん。なんか、私の今までの記憶に前世の記憶をプラスされた感じ。」
 
 私がそう言うと、みんなが同時にほっとため息をついたので、少し笑ってしまった。
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