ラブ・ジェネレーション
「何をニタニタしてるんだ」
「ごめん、昔を思い出してた、わたし本当にお金なかったねー、翔琉にいっぱい奢ってもらった」
「気にしてないよ、そのおかげで、いっぱいキスできたから」
「はははっ、そうだった、代わりにキスさせてってよく言ってたねー」
「結衣が喜ぶことなら何でもしてあげたい、これからも」
今は大学生になってアルバイトもしてるから、たまに私が奢ることもできて、
つい先日の翔琉の誕生日には、彼が欲しがっていたポールスミスの財布を、初めて誕生日プレゼントらしく買ってあげることができた。
「車は成人祝いにね、お母さんが買ってくれた、今まで貧乏でごめんねって、お母さんは私のためにお父さんの保険金を使わずに取っておいてくれてたの、大学に通えるのもそのおかげ、それに高校生の時にまとまったお金が入ったってお母さんが言ってた、詳しくは教えてくれなかったけど」
「そうか、今まで我慢してきたご褒美だな」
「ありがとう、翔琉のおかげで惨めな高校生活じゃなかったんだよ」
「そう思うならキスさせて!」
だから、こんなとこで言うなって!
キョロキョロして周りの反応を伺う、聞こえなかった?
「もう、よく飽きないねー、一回だけだからね」
出不精だった私が、気軽に出歩くようになったのはラパンちゃんとアルバイトで稼いだお金のおかげだ。
大学生になって、やっと私は小さな自由を手に入れた、我慢する事が少なくなったおかげか心にゆとりもできた、ゆとりがなければ人に優しくなれないと知ったのもつい最近のことだ。