ラブ・ジェネレーション

「結衣、大学は楽しい？」
「高校と違って自由だね、あまり縛られないのが心地いいかな、皆んな大人だから他人に干渉しないし」
「いい男が沢山いるだろう」
「いるよ、この前も同じサークルの子に付き合わないかって言われた」

嘘じゃないけど言わなくてもいい事だよね、でもわざと心配させて、もっと翔琉の気を引きたい気持ちがあったのかもしれない、

「ふーん、それで、なんて返事したの」

なんだ？　
やけに反応が薄いじゃない、やきもち焼かないの？

「断ったに決まってるでしょ、翔琉がいるんだから」

「ありがと、でももし俺よりいい男だったら結衣はどうするんだ」

「……それは、その時にならないとわからないよ」

翔琉は両足でブレーキをかけ、ブランコを止めると真剣な眼差しを私に向けた、

「結衣、もし俺より好きな奴ができたら、隠さずに言ってくれないか」

隠さないけど、その時はどうするつもりなの、別れるってこと？
いやいや、逆に攻められてる感が否めないんですけど、

「そしたら、翔琉は別れてくれるの？」

「結衣の気持ちを優先してあげたい……」

昔みたいな強引さが再会してからの翔琉にはなくなっている、私を気遣う態度が自然に表れていた。

「翔琉は変わったね、そんな言葉高校生の翔琉は絶対に口にしなかった」

「そうだな、前の俺だったら絶対に許せない、結衣を誰にも取られたくなかったんだから当たり前だろ、でも勘違いしないで、その気持ちは今でも変わらないよ。ただ今はそんな自分の気持ちより結衣の幸せが優先するんだ」