ラブ・ジェネレーション

「人の出会いは運命なんだね、お父さんとお母さんは出会った時から結ばれる運命だったんだよ」

「結衣の話を聞いて今やっと私もそう思えるようになった、ありがとう」



「お母さん、もう一つあるんだよ、お父さんから預かってるもの」

「ペンダントと一緒に?」

「うん、お母さんに渡せなかったラブレター」

「ラブレター? そんなのお父さんから一度も貰ったことないわ」

「ちょっと待って持ってくるから」

私は、自分の机の引き出しの奥に隠して置いた封筒を取り出してお母さんに手渡した、

「ずいぶん古そうだねー、いつ頃のものだろうか」

封筒の表には子供の字で、まゆみちゃんへとある、

「小学校六年生、私が聞いた話では卒業して離ればなれになる時に渡したかったみたいだよ、でも結局勇気がなくて渡せなかったんだって、私は読んでないから内容は知らないよ」

お母さんの横に立って、私も手紙を覗きこんだ、
なになに、、わーお父さん字下手だねー、まだ小学生だから許すか、



『まゆみちゃんへ

僕は、まゆみちゃんが好きでした、
中学もずっと一緒にいたかったけどお別れだね、残念です、

遠く離れても君のことは決して忘れません、いつか再会できたなら僕とつきあってください。

僕の夢は歌手になることです、もし有名になれたら応援してね、
その時はまゆみちゃんをイメージした曲を作りたいな、

覚えていますか、五年生の時の課外学習、まゆみちゃんがシロツメグサで作ってくれた首飾り、僕には星のペンダントみたいにキレイに見えて今でも僕の宝物です。

そうだ、ペンダントがいいね、まゆみちゃんをイメージした曲のタイトルはこれにします。
もしこの曲名を耳にしたら、まゆみちゃんのために作った曲だと思ってください。

元気でね、いつか会えることを信じています、さようなら        
           
高橋 翔琉より』

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