ラブ・ジェネレーション

お母さんと二人、互いに顔を合わせて驚いていた、

「嘘だー、あの曲もお母さんの事だったの!」

間違いない、確かに優衣さんの事は忘れられなかったのかもしれないけど、お父さんの心の中には小学生の時に好きだったお母さんの面影がずっとあったんだ。

「……信じられない、夢みたいだね」

「間違いなくお父さんが書いたラブレターなんだから信じていいよ、良かったねーお母さん」

「うん、ずっと悩んでた私が馬鹿みたい」

何度もラブレターを読み返し、胸に抱きしめては涙ぐむお母さん、
その姿が私も嬉しくて、もらい泣きしてしまう。

と、手の隙間からのぞく手紙に何か書いてあるのが目に入った、
「お母さん、その数字はなに?」
手紙の裏の隅に書かれた四桁の数字、

「1210って十二月十日のこと? 私の誕生日かな?」

「どうしてお母さんの誕生日が書いてあるんだろ、でも、この字は大人が書いたみたいに見える」

「たぶんお父さんの字だよ、後で書いたんだろね」

「何のために?」

「さぁー……あっ、まって結衣! 1210の友愛数っていくつだった?」

「友愛数ってなんだっけ?」

< 98 / 106 >

この作品をシェア

pagetop