【電書化・コミカライズ】婚約13年目ですが、いまだに愛されていません~愛されたい王女と愛さないように必死な次期公爵~
 ここリエルタは、四方を他国に囲まれた王国である。
 リエルタの北から西にかけてかぶさるように位置し、ストレザン公爵領と隣接している国が、ハリバロフ王国だ。
 リエルタの国土は四角に近い形をしており、海はない。
 気候は比較的穏やかだが、地域によってある程度の差があり、ハリバロフ方面はやや寒く、王都周辺とは違った作物がよく育つ。
 果物を主とした農産物の生産が盛んで、自慢の作物を多くの国に輸出している。

 対して、ハリバロフの国土は細長く、海にそって湾曲しており、その多くが海に面している。
 海産物や塩が特産品で、海を玄関にした他大陸との交易も盛んだ。
 代わりに、土の塩分が高く、作物は育ちにくい。

 それぞれに違った特色を持つこの2つの王国は、互いに足りないものを補い合う形で、友好国として関係を築いていた。
 理解と親交を深めるため、王族の交換留学も定期的に行われている。
 今回は、リエルタでは第二王子のディルク、ハリバロフからは第一王女のルーナがそれぞれ留学を希望。
 ディルクとルーナを交換する形で、留学が行われた。
 留学開始から、約半年。
 親交の深い国の姫同士、元より仲のよかったフレデリカとルーナであったが、こうして一緒にいる時間が長くなった今では、大親友とも呼べる関係となっていた。

 部屋に待機していたメイドは、お茶とお茶菓子を用意させたら下がらせる。
 仲良し二人の、秘密のガールズトークがしたいのだ。
 ルーナはフレデリカと年も近く、姫という立場も同じだから、話も弾む。
 今日の二人のトークのネタは、恋バナだった。
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