【電書化・コミカライズ】婚約13年目ですが、いまだに愛されていません~愛されたい王女と愛さないように必死な次期公爵~
 ごく一部の者しか知らない、極秘ルートを使って届けられる手紙の数々。
 差出人が不明なままなのも、誰が誰に宛てた手紙なのか知られるとまずいからだろう。
 密告していることがバレてしまえば、密告者の身に危険が及ぶのはもちろんのこと、以降の手紙も出せなくなる。

 時がたつごとに、フレデリカに焦点があてられていく内容。
 毎回、庭の警備を厳重にするように書き添えられている。
 これらの要素から、彼らが導き出した答えは――

「結婚式に乗じての、王女暗殺計画が動いている。やはり、そう見ていいのではと思います」

 みなが、アルフレドの言葉に頷いた。……一人を、除いて。
 この場に集められたときから、ほとんど発言をしていない者がいた。
 その男は、今も、アルフレドの「王女暗殺計画」という言葉を聞き、沈痛な面持ちをしているだけだ。

「……シュトラウス。当日、姉さんの隣に立つのはお前だ。頼むから、しっかりしてくれ」
「……はい。申し訳ありません」

 アルフレドに名指しで注意され、シュトラウスはようやく、会議に参加した。


 新郎であるシュトラウスももちろん、最初の一通の時点でアルフレドから報告を受けていた。
 シュトラウスも、アルフレドと同じように、自分たちの結婚式でなにかが起こると判断し、ストレザン領からの増援を提案。
 警備についての案なども出していた。
 だから、これまで全く役に立っていない、というわけではないのだが……。
 狙いがフレデリカである、とはっきりしてきた頃から、彼は落ち着きをなくしていた。
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