【電書化・コミカライズ】婚約13年目ですが、いまだに愛されていません~愛されたい王女と愛さないように必死な次期公爵~
 結婚式から数日後。
 シュトラウスの離れにて、フレデリカとシュトラウスが争っていた。
 争う、といっても、新婚夫婦の可愛らしい攻防なのだが、シュトラウスのほうは必死だ。

「ねえ、シュウ。どうしてもダメ?」

 青い瞳を潤ませたフレデリカが、両手でぎゅっとシュトラウスの手を握る。
 妻にそんなことをされたシュトラウスは、その可愛さに負けないよう、彼女から目をそらす。

「……式で顔を見せたばかりだから、まだダメだ。俺たちだとすぐに気付かれる可能性が高い」
「……どうしても?」
「どうしてもだ……」

 フレデリカが、こてんと首を傾げる。
 シュトラウスはといえば、もはや苦悶の表情であった。
 せっかくの休暇に街でデートしたいフレデリカと、それをとめるシュトラウスの戦いが、繰り広げられている。

 色々あって疲れているだろうからと、二人は王からしばらくの休暇をもらっていた。
 完全に警戒が解かれたわけではないが、フレデリカも、式の前に比べるとずいぶん自由に動けている。
 危機を乗り越え、無事に結婚し。休暇ももらい。
 フレデリカはシュトラウスの離れで過ごし、二人の時間を満喫していた。

「シュウ……」

 フレデリカの身長は、女性としては平均的か、それよりほんの少しだけ大きいぐらい。
 しかし、シュトラウスが長身なため、二人の身長差はそれなりだ。
 そのため、フレデリカが彼を見上げると、自然に上目遣いとなる。
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