【電書化・コミカライズ】婚約13年目ですが、いまだに愛されていません~愛されたい王女と愛さないように必死な次期公爵~
「それにしても……。まさかこちらが、姫を奪うことになるとはな」
「シュウ?」
「以前、ルーナ姫に言われたことを思い出したんだ」

 あれはまだ、シュトラウスがフレデリカから距離をとっていた頃のことだった。
 フレデリカから離れようとしたシュトラウスを、ルーナは「フリッカは我が国でいただいてしまうわよ」「フリッカ。ハリバロフに嫁ぐ気はない?」と挑発した。
 ルーナは隣国の姫だ。本気を出せば、シュトラウスとの婚約を解消させ、フレデリカをハリバロフに連れて行くこともできるかもしれない。
 流石のシュトラウスも焦り、ルーナの狙い通りだとわかりつつも、フレデリカの隣に座ったものだった。

 だが、これから実際に起こるであろうことは逆で。
 ルーナとテネブラエの婚約は破棄され、彼女はリエルタに嫁ぐことになるだろう。
 フレデリカを奪われるどころか、リエルタの王子が、ハリバロフの姫をいただいてしまった。

「そういえば……そんなこともあったね。ルーナのこと、奪っちゃお!」
「あ、ああ」

 隣国の姫の略奪に乗り気のフレデリカ。
 
「ルーナにはたくさん応援してもらった分、私も二人の手助けをしなくちゃ!」
 
 と、意気込んでいる。
 フレデリカは、元気いっぱいだった。
 きみ、さっきまで暗殺されかけてたんだけどな、と思いつつも、シュトラウスは愛しい人の髪に触れ、慈しむように撫でた。

「俺も手伝うよ。フリッカ」
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