【電書化・コミカライズ】婚約13年目ですが、いまだに愛されていません~愛されたい王女と愛さないように必死な次期公爵~
 アルフレドは、シュトラウスに対して複雑な感情を抱いていた。
 決して、シュトラウスという個人のことが嫌いなわけではないのだが……。
 大切な姉さんに想いを向けられながら、それをしっかり受け止めていないように見えるシュトラウスに、なんとなく腹が立っていた。
 第一王子アルフレドは、姉であるフレデリカのことが大好きなのである。

 フレデリカは、王の第一子だった。けれど彼女のあとに、正妃の子である男児の自分が生まれてしまった。
 アルフレドのせいで、フレデリカは肩身の狭い思いをしたのだ。
 なのに、フレデリカはアルフレドのことを責めたりしない。
 アル、と呼んで、笑顔を向けてくれるのだ。それは、今も昔も変わらない。
 シュトラウスが幼いフレデリカを守ったことは知っているが、それはそれとして、姉の婚約者というポジションの男が気に入らない。
 まあ、一言にしてしまえば、嫉妬である。

 アルフレドのそんな思いを、なんとなくだが知っているルーナは、彼の肩をぽんと叩く。

「ごめんなさいね、弟くん……」
「な、なに!? なんなの!?」
 
 急に哀れみの視線を向けられたアルフレドは、なに!? と繰り返していた。
 ルーナは知っている。これから仲良し大作戦が始まることを。……始めると、決めた人だから。
 きっと二人は、想いを通じ合わせた婚約者となることだろう。
 そのとき、お姉ちゃん大好きな弟くんは、きっと、悔しがる。

「そのときは、慰めてあげるわ……」
「だからなに!?」

 なんともマイペースな姫、ルーナ。
 彼女が留学してきて以来、よく振り回されているアルフレドであるが、アルフレドから彼女の行動範囲に入っていくのだから、それなりに楽しんでいるのだろう。
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