【電書化・コミカライズ】婚約13年目ですが、いまだに愛されていません~愛されたい王女と愛さないように必死な次期公爵~
「シュウ」
あの日の、まだ10歳だったフレデリカが、「シュウ」と笑顔で自分を呼ぶ。
優しく澄んだ声は心地よく、いつまでも聞いていたくなる。
それと同時に、もうにいさまとは呼んでもらえない寂しさと焦りが胸に押し寄せた。
シュウ、シュウ、と何度も繰り返される言葉。
最初はフレデリカの声だったのだが、何故だか低音に変わってきた。
フリッカは、こんな声じゃ、ない……。もっと高くて、でも優しい、落ち着く声で……。
そう苦しみ始めたころ、
「シュウ! シュトラウス! 起きろ!」
怒鳴り声にも近い男のそれとともに毛布をひっぺがされ、シュトラウスは目を覚ます。
「……? フリッカは……?」
「いねえよ! ここはお前の執務室! 仮眠するから時間になったら起こせって言ったの、お前だろ?」
「あー……。そんな気がしてきた……」
「気がしてきたじゃなくて、そうなんだよ。寝ぼけてないでさっさと起きろ」
じわじわと動き出した頭で、シュトラウスは自分が眠っていたことを理解する。
どうやら、懐かしい夢を見ていたようだ。
フレデリカが、自分を兄と呼ばなくなったあの日の夢を。
あの日の、まだ10歳だったフレデリカが、「シュウ」と笑顔で自分を呼ぶ。
優しく澄んだ声は心地よく、いつまでも聞いていたくなる。
それと同時に、もうにいさまとは呼んでもらえない寂しさと焦りが胸に押し寄せた。
シュウ、シュウ、と何度も繰り返される言葉。
最初はフレデリカの声だったのだが、何故だか低音に変わってきた。
フリッカは、こんな声じゃ、ない……。もっと高くて、でも優しい、落ち着く声で……。
そう苦しみ始めたころ、
「シュウ! シュトラウス! 起きろ!」
怒鳴り声にも近い男のそれとともに毛布をひっぺがされ、シュトラウスは目を覚ます。
「……? フリッカは……?」
「いねえよ! ここはお前の執務室! 仮眠するから時間になったら起こせって言ったの、お前だろ?」
「あー……。そんな気がしてきた……」
「気がしてきたじゃなくて、そうなんだよ。寝ぼけてないでさっさと起きろ」
じわじわと動き出した頭で、シュトラウスは自分が眠っていたことを理解する。
どうやら、懐かしい夢を見ていたようだ。
フレデリカが、自分を兄と呼ばなくなったあの日の夢を。