【電書化・コミカライズ】婚約13年目ですが、いまだに愛されていません~愛されたい王女と愛さないように必死な次期公爵~
「目、覚めたか?」
「ああ。なんとか」
「それにしても、寝起きの一言が『フリッカ』とはなあ。えらいのろけを聞かされた気分だよ」
「さっきのは忘れろ……」
「ご命令とあらば」
ブラームのわざとらしい会釈を受けたシュトラウスは、絶対忘れる気ないだろこいつ、と彼を睨みつけるのだった。
忘れて欲しいシュトラウスと、このネタでしばらく引っ張る気満々のブラームの、男同士のバトルが勃発しそうになったとき、こんこん、と執務室のドアがノックされた。
「シュウ、いる? フレデリカです」
「おっと、噂をすればだ」
ここ最近、フレデリカはこうしてシュトラウスの元を訪ねてくることが多い。
以前は、仕事の時間にはほとんど近づいてこなかったのにだ。
シュトラウスはさっと自分の頭に触れて寝癖がないことを確認すると、フレデリカに入室を促した。
「お仕事中ごめんなさい」
執務室に入ったフレデリカは、やや申し訳なさそうにしている。
今日の彼女は、ハイウエストのドレスを着用し、ショールを羽織っていた。最近の流行らしい。
バストの下からは、広がりのないスカートがすとんと落ちている。
自然に近い形だからこそ、彼女のラインの美しさが際立っていた。
小さくはないが、大きすぎるわけでもない胸に、細い腰に……と、彼女をじっと眺めてしまったシュトラウスは、小さく首を振る。
「シュウ?」
「いや、すまない。さっきまで仮眠をとっていたから、少しぼうっとしていて」
見てない。いやらしい目で彼女を見たりしていない。
可愛いと思っただけだと、シュトラウスは心の中で言い訳した。
「ああ。なんとか」
「それにしても、寝起きの一言が『フリッカ』とはなあ。えらいのろけを聞かされた気分だよ」
「さっきのは忘れろ……」
「ご命令とあらば」
ブラームのわざとらしい会釈を受けたシュトラウスは、絶対忘れる気ないだろこいつ、と彼を睨みつけるのだった。
忘れて欲しいシュトラウスと、このネタでしばらく引っ張る気満々のブラームの、男同士のバトルが勃発しそうになったとき、こんこん、と執務室のドアがノックされた。
「シュウ、いる? フレデリカです」
「おっと、噂をすればだ」
ここ最近、フレデリカはこうしてシュトラウスの元を訪ねてくることが多い。
以前は、仕事の時間にはほとんど近づいてこなかったのにだ。
シュトラウスはさっと自分の頭に触れて寝癖がないことを確認すると、フレデリカに入室を促した。
「お仕事中ごめんなさい」
執務室に入ったフレデリカは、やや申し訳なさそうにしている。
今日の彼女は、ハイウエストのドレスを着用し、ショールを羽織っていた。最近の流行らしい。
バストの下からは、広がりのないスカートがすとんと落ちている。
自然に近い形だからこそ、彼女のラインの美しさが際立っていた。
小さくはないが、大きすぎるわけでもない胸に、細い腰に……と、彼女をじっと眺めてしまったシュトラウスは、小さく首を振る。
「シュウ?」
「いや、すまない。さっきまで仮眠をとっていたから、少しぼうっとしていて」
見てない。いやらしい目で彼女を見たりしていない。
可愛いと思っただけだと、シュトラウスは心の中で言い訳した。