【電書化・コミカライズ】婚約13年目ですが、いまだに愛されていません~愛されたい王女と愛さないように必死な次期公爵~
シュトラウスの執務室を後にしたフレデリカは、王女らしくしずしずと歩き、すれ違う者に優雅に微笑みかけたりしつつも、心の中ではこう思っていた。
やった! 渡せた!
と。
服も変じゃなかったかしら、流行りに合わせてみたのだけど、とくるくるきょろきょろしたくなるのを抑えながら、やはり澄ましていた。
外から見たら、今のフレデリカが、きゃー! ひゃー! と盛り上がっていることなど、微塵もわかりはしないだろう。
ここ最近――具体的にいうと2週間ほどだろうか――のフレデリカは、仲良し大作戦の真っ最中であった。
ルーナに言われて始めたことであったが、ほんの少しの時間だけでもシュトラウスに会うことや、彼へのちょっとした贈り物などを探す時間はとても楽しくて。
いつも短時間で逃げるように立ち去ってしまうが、彼に会ったあとはなんだかふわふわして、見慣れたはずの景色も鮮やかに彩られているような気がした。
ちなみに、滞在時間を極力短くしている理由は2つある。
1つは、彼の仕事の邪魔をしたくないから。
もう1つは……。忙しいのだから控えて欲しい、と言われないようにだ。
控えてくれ、とシュトラウスに言われたら、フレデリカはショックで土に埋まってしまうだろう。
そうならないよう、事前に手を打った結果なのである。
やった! 渡せた!
と。
服も変じゃなかったかしら、流行りに合わせてみたのだけど、とくるくるきょろきょろしたくなるのを抑えながら、やはり澄ましていた。
外から見たら、今のフレデリカが、きゃー! ひゃー! と盛り上がっていることなど、微塵もわかりはしないだろう。
ここ最近――具体的にいうと2週間ほどだろうか――のフレデリカは、仲良し大作戦の真っ最中であった。
ルーナに言われて始めたことであったが、ほんの少しの時間だけでもシュトラウスに会うことや、彼へのちょっとした贈り物などを探す時間はとても楽しくて。
いつも短時間で逃げるように立ち去ってしまうが、彼に会ったあとはなんだかふわふわして、見慣れたはずの景色も鮮やかに彩られているような気がした。
ちなみに、滞在時間を極力短くしている理由は2つある。
1つは、彼の仕事の邪魔をしたくないから。
もう1つは……。忙しいのだから控えて欲しい、と言われないようにだ。
控えてくれ、とシュトラウスに言われたら、フレデリカはショックで土に埋まってしまうだろう。
そうならないよう、事前に手を打った結果なのである。