【電書化・コミカライズ】婚約13年目ですが、いまだに愛されていません~愛されたい王女と愛さないように必死な次期公爵~
「いやー。お連れさんが見つかってよかった。それじゃあ、俺はこれで」
既に狙いがバレていることを理解しつつも、親切な人間のふりをする。
声や顔は引きつっているだろうが、そんなことを気にする余裕はない。
笑みを浮かべ、ひらひらと手をふりながら彼らから離れていく。
黒髪の男の視線が突き刺さり続けたものの、追いかけられはしなかった。
店を出てからは、少しでも遠くへ行こうと全速力で走った。
尋常でない圧を放つあの男から、一歩でも多く離れたい。距離を稼ぎたい。
そうして、どれほど走り続けただろうか。
ふらふらになった男は、路地の木箱にぶつかって、べしゃりと地面に倒れ伏した。
迎えに来た男の身なりからしても、やはりあの女は高貴な身分の者だったのだろう。
さらえば、かなりの価値があったはずだ。
だが、男の心を埋め尽くしたのは、大きな獲物を逃した悔しさではなく、安堵だった。
「殺される、かと、おもった……」
暗がりで、息を大きく荒げながらも、男はそう呟いた。
既に狙いがバレていることを理解しつつも、親切な人間のふりをする。
声や顔は引きつっているだろうが、そんなことを気にする余裕はない。
笑みを浮かべ、ひらひらと手をふりながら彼らから離れていく。
黒髪の男の視線が突き刺さり続けたものの、追いかけられはしなかった。
店を出てからは、少しでも遠くへ行こうと全速力で走った。
尋常でない圧を放つあの男から、一歩でも多く離れたい。距離を稼ぎたい。
そうして、どれほど走り続けただろうか。
ふらふらになった男は、路地の木箱にぶつかって、べしゃりと地面に倒れ伏した。
迎えに来た男の身なりからしても、やはりあの女は高貴な身分の者だったのだろう。
さらえば、かなりの価値があったはずだ。
だが、男の心を埋め尽くしたのは、大きな獲物を逃した悔しさではなく、安堵だった。
「殺される、かと、おもった……」
暗がりで、息を大きく荒げながらも、男はそう呟いた。