【電書化・コミカライズ】婚約13年目ですが、いまだに愛されていません~愛されたい王女と愛さないように必死な次期公爵~
 そんなとき、シュトラウスの腕に抱かれて眠るフレデリカが、「んん……」と苦しそうに声を漏らしながら身じろぎした。
 腕に力を入れたせいで、彼女に痛みを与えてしまったのかもしれない。
 ハッとしたシュトラウスは、フレデリカを優しく抱え直す。
 すると、彼女もそれに応えるかのように、シュトラウスに頬をすり寄せた。
 シュトラウスに身体を預け、安心しきって眠る姿を見ていると、だんだんと頭が冷えてくる。
 奪うだの自分のものにするだの、一体なにを考えていたのだろうか。

「……ごめん、フリッカ」

 きみを傷つけようとした。
 無理にでも、自分のものにしてしまおうと思った。

 彼女は眠っていたし、己の欲を口にもしていないから、フレデリカはなにも知らない。
 けれど、そんな欲が生まれたこと、それを彼女に向けようとした事実がそのものが、あまりにも申し訳なく、受け入れがたいことだった。

「ごめん、フリッカ。ごめん……」

 震える唇から紡がれる、シュトラウスの謝罪の言葉。
 未だ眠りの世界にいるフレデリカには、届かない。
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