アイテム
このホテルのスィートルームにはあらゆる高級酒が揃っている。

今夜は飲んだくれて寝るつもりでいた。

高級ブランデーの蓋を開け、グラスに溢れる程注いだ。

数日前なら、ボトルに触れる事さえ無かったであろう高級酒の数々が棚に並んでいる。全て自由に飲める。

実物を見たこともない高級フランス料理さえ、ルームサービス出来たし、希望すれば目の前で肉を焼いてくれた。

アイテムを外しては飲み。収納すれば醒めるの繰り返しで、桐山は、ルーム係りが驚く程の酒瓶を空にした。

アイテムを外した状態で桐山は心地良い酔いに身を委ね、グラスを持ったまま、多少フラつく脚で、ベッドルームに向かった。巨大なベッドに寝そべりながらブランデーを飲み干し、大の字になった。

これからどうするべきか?

桐山は薄れゆく意識の中で、明日に思いを馳せながら眠りに落ちた。
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