アイテム
桐山は改めて男を見た。微笑んだ顔は整っていた。日本人の顔とは少し違っていたが、欧米系とも中東系違う。肌の色は白い。眼の色は不自然な程に黒かった。アンバランスな白髪は肩にかかる長髪だ。年齢不詳な風貌だ。
『じゃあな!よく考えて使えよ!』

言うと同時に、桐山は、男の体が透けている事に気づいた。
『待ってくれ!あなたは何者なんだ?』
男は更に透明度を増しながら

『この星ではサンタクロースと呼ばれているらしい』

その言葉を最後に、男の姿は消え失せてしまった。

『サ、サンタクロースだってぇっ!?』

桐山は、男が消えたあたりの空間を、ただ呆然と見つめていた。
< 9 / 27 >

この作品をシェア

pagetop