幼なじみのハイスペ若頭が結婚を諦めてくれません。


 ほらやっぱり。
 いつものほほんとしてるママが知るわけないよ――……。


「――って、知ってるの!?!?」

「知ってるわよ?」


 えぇーーーー!!!!
 まさかのダークホースなんだけど!!


「そのこと、鏡花ちゃんに教えてあげた方がいいかしらと思って来たのよ」

「先に言ってくれますか!?!?」

「てか中に入りません?流石に目立ちますって……」

「あ、そうね〜。鏡花ちゃん、入れてくれるー?」

「あ、うん、どうぞ」


 悠生はともかく、なんで母親を窓から入れなきゃならないんだ……。
 ママは「窓からお邪魔しま〜す」なんて言って何故か楽しんでいた。本当にこの人呑気だな。


「実はね、書斎を整理したら見つけちゃってね。あらかわいい〜と思って持って来ちゃったの」


 そう言ってママが見せたのは一枚の写真だった。
 やや色褪せている古い写真だ。

 受け取って私と悠生は写真を覗き込む。
 そこに映っていたのは、五人の高校生だった。
 男子が三人、女子が二人。一番端っこにいる女子を除き、他の四人は卒業証書を入れる筒を持っているところを見ると、卒業式の写真なのだろうか。


「これって」

「パパの高校時代の写真よ。これがパパで、こっちにいるのが染井一家の組長さん」

「えっ!?てことは、那桜のお父さん!?」

「この人が奥さんの美咲さんね」


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