幼なじみのハイスペ若頭が結婚を諦めてくれません。


 あんなこと……?


「それって何?」

「それ以上は知らねえっす。てか教えてくれなかったんだよな」

「そうなんだ」


 でも過去に何かあったんだ。
 それを突き止めることができれば、パパが反対する理由がわかるかもしれない。


「幹部の峰さんは何か知ってるみたいだった。他の人に聞けないかな?」

「幹部はみんな組長に恩義がある人たちばかりなんすよ。無理でしょ」

「無理かぁ」

「無理そうねぇ」


 しれっと会話に混ざっていたのは、なんとママだった。
 いつの間にか悠生の隣にいて、うーんと首を傾げている。


「ママ!?」

「女将さん!いつの間に」

「だってなんだか楽しそうだったんだもの。窓越しに会話するのってワクワクするわよね」


 ママは相変わらず呑気すぎる!!
 この状況でウキウキしながら来れる神経がすごいな!?


「てかママ何してるの!?」

「何って鏡花ちゃんの様子見に来たのよ」

「普通にドアから入れば!?」

「悠生くんがコソコソしてるの見て、面白そうだったからついてきちゃった♪」


 ヤバいな、この人……。
 マジである意味最強すぎるよ。


「ごめんだけどママ、今ママに構ってる暇ないの」

「えー?」

「つーか女将さんなら知ってるんじゃないんすか?桜花と染井が険悪な理由」

「知らないでしょ……ママは全然関係ない家から嫁いできたんだし」

「あら知ってるわよ?」


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