スイートルーム
あたしも次郎も、クリスマスは仕事に追われるんだ。
今年もまた、いろんなカップルに出会うんだろうな。
「ここのスイートでも予約しようか」
「……ううん」
次郎の提案に、あたしは首を横に振る。
そして、まだ熱を帯びたままの顔をあげて、あたしは次郎をまっすぐ見る。
「次郎と一緒にいられるのなら、どこでもいいよ」
それを聞いた次郎はフッと静かに笑うと、あたしを優しく抱きしめた。
――fin――

