相思相愛・夫婦の日常~カケ♡サト編~
“井澤くんのことを知りたい”

そんなことを言われた翔琉が、黙っていられるわけがなかった。

毎日のように里海を口説き、里海の心に浸食するように入り込んでいく。


『里海ちゃん!好きー!』

『里海ちゃん、僕考えたんだ!
“サトちゃん”って呼んでいい?
ほら!これなら、僕だけの“特別な”呼び方でしょ?
僕のことは“カケくん”って呼んで?
でねでね!
“カケくん”って、サトちゃんだけしか呼ばせないから、サトちゃんも僕以外には呼ばせないで?』

『サトちゃん、可愛い!』

『サトちゃん!大学卒業したら、結婚して!』

“サトちゃん”“サトちゃん”と、人懐っこく里海に声をかけ続けていた。


そして二人とも内定が決まり、お祝いをしようということになった大学四年の秋。

『ここ…?』

『フフ…僕達が初めて一緒に食事をしたレストランだよ?』


個室のカップル席に座る。
翔琉が、ぴったりくっつき腰を抱いた。

『なんか、素敵////』

『フフ…だね!
……………サトちゃん、綺麗…/////』
里海の頬に触れ、うっとりとして言った。

『そんな…/////
カケくんこそ、素敵だよ…/////』
里海も、うっとりしている。

頬に触れたまま、親指で里海の口唇をなぞる。
『キス、したいな////』

里海が『うん…////』と小さく頷き、目を瞑った。

ゆっくり翔琉の顔が近づき、二人の口唇が重なった。
啄んで、離れた口唇。

しかしすぐに翔琉が口唇を塞ぐように重ねる。

今度は、深くなって貪られた。

『んん…/////カケく……も…やめ…/////』
『ダメ…もっとしよ…?』

『でも……も…だめ…/////』

『ん…サトちゃん……
結婚、してくれる?』
額と額をくっつけ、呟く翔琉。

『……/////』

『お願い…
“うん”って言って?
簡単でしょ?
“うん”って頷くだけ…!
大丈夫、頷くだけでこれからの未来に待ってるのは“幸せだけ”
サトちゃんを幸せに出来るのは、僕だけ。
これから先、僕以上の人間は現れない。
…………お願い…サトちゃん』

自信満々に言っているが、内心は焦っていた。
早く、早く…里海を手に入れなければ、簡単に他の男に取られてしまう。

自分よりも、素敵な男はいくらでもいる。

本当は、サトちゃんに一番相応しくないのは“僕”なのだから。
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