相思相愛・夫婦の日常~カケ♡サト編~
自慢の旦那さんとワガママな里海 【翔琉 side】
僕のサトちゃんは月に一度、幼児に後退化する。

ある日の夜更けのことだ。

「━━━━くん…カケくん…!」
夢うつつに、サトちゃんの声が聞こえる。

「んん…
んー、サトちゃん?」

「カケくん」
ゆっくり目を開けると、サトちゃんが起きていて見下ろしていた。

「どーしたの?」
両手を広げて“おいで?”と合図する。

「痛い」

「ん?痛い?」

「お腹、痛い、よしよし、して?」

片言みたいな言葉。
僕は“あぁ、生理か”と察する。

また“赤ちゃん里海”が顔を出したな(笑)

僕は「おいで?」と言って、サトちゃんを寝かせる。
そして、お腹をゆっくりさすり始めた。

「大丈夫?」

「ん…」
ゆっくり目を瞑るサトちゃん。
でも、眉間にはシワが寄っている。
しばらくさすっていると、スースーと寝息が聞こえてくる。

そこで僕も、再度眠りについた。

夜が明けて、妙に暑苦しくて目を覚ます。
サトちゃんは僕に巻きつくように抱きついて、眉間にシワを寄せていた。
でも、鬱陶しいなんて思わない。

おでこにキスをして、頭やお腹を撫でる。
起こさないようにサトちゃんから抜け出て、シーツをかけた。

朝ご飯を作るために、僕はキッチンに向かった。

サトちゃんは生理の時、ほとんど食べたがらない。
でも、薬を飲まないと仕事が出来ない。

『今は生理休暇とかあるらしいから、休みなよ。
もちろん僕も、休んで傍にいるよ』
と声をかけているが、頑なに取らない。

ご飯と味噌汁。
味噌汁は、豆腐と白葱。
それと、苺のプリン。
生理の時のサトちゃんの食事。

準備して、起こしに寝室に戻る。

「サトちゃん!サトちゃん!朝だよ!」
優しく揺すり起こす。

「んん…」
目を覚ましたサトちゃんが、僕に向かって両手を広げる。

“抱っこして連れていけ”と言う合図だ。

僕は、フフ…と笑って抱き上げた。
「よい…しょっと!!
フフ…サトちゃん、おはよ!」

「おはよ…痛い、辛い、うー痛い…」
やっぱり眉間にシワを寄せて、僕に抱きついてきた。

「サトちゃん、トイレ行く?」
頷くサトちゃん。
トイレの前で下ろすと、お腹をさすりながら入った。

ドア越しに、待ってた方がいいか聞く。
日によって先に行ってた方が良い日と、待って抱っこして連れてって欲しい日があるからだ。

「サトちゃん、どうする?
待ってた方がいい?」

ノックしながら言うと、小さな声で“待ってて”と聞こえてきた。
< 41 / 62 >

この作品をシェア

pagetop