相思相愛・夫婦の日常~カケ♡サト編~
待っていると、水を流す音が聞こえサトちゃんがゆっくり出てきた。

洗面台に行き、顔を洗う。
洗い終わって僕に向かって両手を広げた。

「カケくん、抱っこ」
「ん。
━━━━━はい、いくよ!
よいしょっと!!」

「うー、今日はすごく辛い……」
僕の首に巻きつくように抱きついて呟いた。

「サトちゃん、休んだら?
大丈夫。
僕も、休んで傍にいるから!」

「それはやだ…」

「どうして?」

「生理で休むなんて、言いにくいし…
仕事も中途半端だから、みんなに迷惑がかかるでしょ?」

「でもこんな状態じゃ、仕事出来ないんじゃない?
何事も、無理はダメだよ!」

「うん。わかってる」

「ん。じゃあ、休む?」

「ううん。休まないよ。
お薬飲めば大丈夫だよ、きっと」

「………」

サトちゃん、わかってないし……


そしてサトちゃんを、ダイニングチェアに座らせる。
サトちゃんの前に、ご飯と味噌汁、苺プリンを出す。
しかしサトちゃんは、それを見つめたまま手を出さない。

「サトちゃん、食べよ。
仕事、遅れるよ?」

ちなみに、僕の朝ご飯もサトちゃんと同じ。
僕は“サトちゃんの作ったもの以外は”極力口に入れたくないから。

「うん」
頷いたサトちゃんは手を伸ばし、一番奥に置いていた苺プリンを取った。

やっぱ、思った通りだ。

さっきも言った通り、サトちゃんは生理の時、ほとんど食べたがらない。
だから、自分が好きな物しか食べようとしないのだ。

「サトちゃん!」

「え?」

「プリンだけはダメだよ!
はい、没収!」
僕はサトちゃんの手から、プリンを取り上げた。

「やだ。苺プリン食べたい」

「ご飯食べてから!
ほら、サトちゃんの好きな豆腐と葱の味噌汁作ったんだから、食べてよ」

「………うん。食べる」

「ん。どうぞ?」

「いただきます。
…………ん。美味しい…」
「良かった!」

結局サトちゃんは、味噌汁と苺プリンを食べ薬を飲んだ。
と言っても、味噌汁の量はビックリする程少ない。
僕だったら、二口くらいで食べ終わってしまう程。
何故って?
サトちゃんは、苺柄の子ども用の茶碗と汁碗を使っているから。

普段の食事でさえ、僕の半分の量しか食べれない。
あ!でも、勘違いしないでね。
だからって訳じゃないけど、サトちゃんの作る料理は品数が多いんだ。
だから、バランスがとってもいいんだ!

「━━━━カケくん、ありがとう。
ご馳走様。
抱っこ、して?
歯磨きして、お化粧しなきゃ」

そしてまた、僕に両手を広げる。
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