朝型ちゃんに一目惚れ
 携帯で検索してコンビニを探し、みんなで浜辺で買ったものを食べる。

「どこかお店も開いてたら良かったのにな…」

 陽菜ちゃんはサンドイッチを見つめてそう言った。

「仕方ないよ、朝だしね。昼か夜はそうしよう」

 俺は陽菜ちゃんにそう言って、みんなに、「な?」と呼びかける。

「そうだよな〜。コンビニ飯だけじゃ、せっかく海に来たのにもったいないよな!」

「水族館の中にもあるだろ、レストラン」

 みんなの意見が合い、頷いた。

「そうですよね、せっかく来たんですから!」

 陽菜ちゃんは俺の大好きな笑顔でそう言った。


 早速みんなで携帯を開き、周辺のレストランを探しながら意見を言い合う。

 俺の意見に吉田が少しふざけて返して、渡瀬が突っ込んで、陽菜ちゃんが笑って、仁科が呆れて…

 そんな他愛もないことをしばらくしていた。

 本当にこんな時が、ずっと続けばいいなと俺は思った。
 でも、俺がもし陽菜ちゃんに告白してフラレたら、この関係はどうなるんだろう…

「…おい、カズキどうした?」

 急に黙った俺に違和感を持ったらしい渡瀬が、俺に声を掛ける。

「…悪い、その…早く決めて魚見たいな、ってさ…あははっ!」

 苦し紛れに笑って誤魔化した俺に、渡瀬にも吉田にも気付かれずに済んだらしい。

「マイペースなやつ…」

「よっしーに言われたくないだろ!」

 二人は俺をからかいながらそんなことを言っている。
 俺は何とか気分を切り替えて、わざと口を尖らせて返した。

「しょうがないだろっ。ほら、そろそろ開く時間だし、中入ってから考えようよ!」
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