朝型ちゃんに一目惚れ
「…良かったです!一樹先輩が楽しそうで!先輩が辛くなるんじゃないかって、実は心配していたんです」

 陽菜ちゃんが嬉しそうに笑って言う。

「新鮮で楽しかったよ、ありがとう。疲れたけど、達成感ていうかさ!」

 吉田が口を挟む。

「夕方からしか何事もやる気出せない、吸血鬼カズキ君がねえ〜……」

「仕方ないだろ!」

 陽菜ちゃんは笑ったあと、また俺に言った。

「じゃあ、またしましょう!早起きして、今度はみんなでお出かけしませんか!?」

「あ、いいね!」

「きっと楽しみがあった方が、早起きし甲斐がありますよ!」

「うん、そうだね!」

 俺は陽菜ちゃんからの嬉しい提案に、ほんの少しだけ、二人きりじゃなくて残念だと思った。
 でもいい、陽菜ちゃんが俺に、早起きはいいものだと教えてくれているのが嬉しかったから。

「どこにする??」

「こうなりゃ海行くか!始発で!!」

 吉田の提案に、陽菜ちゃんがさらに笑顔になった。

「海、いいね!…夏じゃないから泳げないけど……でもきっと景色がいいよね!」

「日取りを決めようか!」


 盛り上がった俺達は、そのまま場所と日取りを決め、渡瀬を電話で誘った。

 きっとその日は良い日になる。俺はそう思った。
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