紳士な若頭の危険な狂愛
店は奥に小さなステージがあって、それこそテレビで見たホストクラブのように男性に数名女性がいる。
女性の年齢層は幅広そうだ。
楽しげな笑い声も多く、なんだか一気に気が緩む。
絵理奈ちゃんに何かあったのではとずっと心配していたが、好きな彼との会話に夢中で連絡を忘れたのだろうか。
「ここです」
「ありがとうございます」
彼に礼を言い、ドアが開く。
一歩入って奥を見ると、絵理奈ちゃんがソファーに座っていた。
「綾菜さん・・・・・・」
絵理奈ちゃんのか細い声と部屋のおかしな雰囲気に、一歩遅れて気がついた。
振り返るとドアが閉まる。
そこにはドアから出られないようにするためか、がたいの良い男が仁王立ちしていた。