紳士な若頭の危険な狂愛

絵理奈ちゃんはケイに肩を抱かれて私の横を通り過ぎる。
ごめんなさい、ごめんなさいと小さく呟きながら。

ドアが閉まり、男が未だ立ったままの私を手招きした。

「ゆっくりお話ししましょう、綾菜さん。
隣に座って」

つばを自然と飲み込む。
こっそり鞄にあるスマホに手を伸ばそうとしたら腕を捕まれた。
後ろに立っていたがたいの良い男が乱暴に私の鞄を奪い、荷物の中身が床に散らばる。
私はバランスを崩し、床にひざまずいてしまった。

「おやおや防犯ブザーもあるねぇ。
でもこんな場所で鳴らしても意味ないし、スマホも緊急ボタン押せる状態で店に入ってこないと。
色々甘いけど、その心意気、嫌いじゃないよ」

私の目の前に来て、男はしゃがみながら私の顔をのぞき込んで笑った。

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