紳士な若頭の危険な狂愛

美東さんが褒めた時は嬉しかったのに、この男の言葉は響かないどころか嫌悪感しかない。
美東さんからは誘惑されるかのような良い香りがしたのに、目の前の男からはタバコの嫌な臭いがするだけ。

(美東さん、助けて)

心の中で助けを求めたのは、会う方法もわからない相手なのに。
あの時のように颯爽と現れ助けてくれないかと願ってしまう。

「ほら、そんなとこ座ってないで。
建設的なお話ししましょ」

男の手が私の頬を触った。
驚き顔を上げると、気持ち悪い歪んだ笑みを向けられた。
何度もザラリとした手が私の頬をなでる。
恐ろしいほどに不快で鳥肌が立つのがわかった。

「肌、綺麗だね。
こういう化粧っ気無い地味な子って割と好まれるのよ。
胸もそれなりにあるのもプラス。
男の経験は何人?
もしかして誰もいない?
んじゃ、俺が初めてもらっちゃおうかな」

突然床に押し倒され、思わず悲鳴を上げた。
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