紳士な若頭の危険な狂愛
「美東さん、まずは頭の怪我を手当てしましょう」
「いえ、必要ありません」
私の右手を握ったまま、美東さんは軽く首を横に振った。
「もう血は止まりましたし、頭も痛くないですから」
「嘘をつかないで下さい」
美東さんはここまで私を踏み込ませてくれたのに、結局は追い出そうとしている。
そういう訳にはいかない。
助けてくれた、抱きしめてくれた、キスをしてくれた。
そして、彼の家に、プライベートなテリトリーに入らせてくれた。
単に他の女性にもしていることなのかもしれない。
それでも私には彼に近づけるチャンスを逃したくは無かった。
「わかりました。
明日また様子を見に来ます」
しっかり彼の目を見て言えば、彼は余裕の表情でふふっと笑った。