いつしか愛は毒になる
※※

──ガチャリ

(えっ……)

智とのメールのやり取りに夢中になっていた私は、玄関扉の開く音に思わずスマホをテーブルに落っことした。

すぐに足音が聞こえてきて、リビングの扉が開かれる。

「ま、雅也さん、今日は帰らないんじゃ……」

「……なんだその顔は? 亭主が帰ってきたら嫌なのか?」

「そんな訳……ないじゃない……」

私は咄嗟にスマホの画面を暗くした。

「ん? なんだ? 俺に見られたら困るものでも入ってるのか?!」

「な、ないわ……」

「かせっ!」

すぐに私の掌から、雅也がスマホを強引に奪いとる。

「雅也さんっ、返してっ!」

「なんだ、その焦った態度は?! 俺にやましいことでもしてたのかっ?!」

私は智とのことが頭を掠めて、うまく返事が出てこない。雅也が舌打ちをすると私のスマホのロックを外した。スマホのロックは結婚当初から、結婚記念日にするよう雅也から言われており、私は一度もロック番号を変更したことはなかった。

「これはっ……!」

智と私のメールのやりとりに雅也の顔が今まで見たことないほどに怒りに満ちていくのがわかった。
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