いつしか愛は毒になる
翌朝、俺はリビングの床の上ですすり泣いている早苗を見るのが鬱陶しくて、いつもよりかなり早く出勤した。駐車場に車を停めた俺は、裏口から鍵を開けて入り、エレベーターの八階のボタンを雑に押す。

上昇しながらスマホのメールを確認するが、俺が送ったメールに対して麗華から何の返事もない。

「くそっ……あの女っ!」

俺は苛立ちながら自販機でブラックコーヒーを買うと社長室へ向かって歩いていく。

「ただじゃおかない! 河本麗華……っ、この俺を嵌めやがって!」

俺は奥歯を噛み締める。

(一体何が狙いだ?! 何のためにっ)

そして俺は社長室の鍵を回すと扉を開け放った。

「なっ……」

俺は、中にいた人物に思わず目を見開いた。

「そこで何してる?」

「あ、あの……」

俺は眉を顰めたまま、歩みをすすめるとデスクの前で戸惑っている彼女の方をぐっと掴んだ。

「こんな朝から何してた?」
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