あのメガネアイドルは…。

そういうのも


○次の日



美術委員である私と昨日、2人乗りしようと誘ってきた中村。


美術の授業後の片付けを先生に頼まれた。

先生「はい、じゃあ挨拶」

日直「起立、礼」

生徒「ありがとうございました」

ガタガタと椅子の音と喋り声が交わる。


廊下とは逆の端に水道があり、木でできた長方形の机が9つある。


真白は水道に近い席だったため、布巾を洗おうと水道に向かって立った。


教室にはもう、2人以外に人はいない。


中村「あのさ、ごめん。昨日」

座っていた席から立ってそう言う、中村の声に真白は手を止めたり振り返ったりしない。


中村「よく考えたら、危ないよな。笑

2ケツとかさ。中学生かよってな。笑」


美術室をゆっくり歩きながら喋り続ける中村。

チラチラと真白の反応を伺うが変化なし。



中村「あ、よかったらさ」

その空間が耐えられなかった中村。

中村「今日、放課後どっか行かね?」


真白は振り返った。

中村と目を合わせることもなく綺麗な布巾で机を拭く。


少しして

真白「そういうのも嫌いかも」

中村に笑顔を向けて行った。


中村は目を泳がせて、パレットや筆を洗おうと水道の方へ。

中村が蛇口に手をかけたとき…。
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