美男子ヤンキーは一途な犬だった



昨日のことを思い出してもムカつく

帰宅途中にたまたま通りの反対側

路地裏なんて、在り来りな場所で

如何にもなヤンキーが怪我をして倒れていた

遠目でもわかるほどに綺麗に整った顔

ヤンキー怖い。よりも

イケメン近くで拝みたい。が勝り

声をかけに行った

確かにね!?

馴れ馴れしかったかもしれないよ!?

だけど初対面の人にブスって言う!?

思い出しても腹立つ〜

思い出しイライラをしながら

昨日と同じ所に辿り着き

目を向ければ



『…え、嘘。また倒れてるし』



ヤンキーって毎日乱闘するの?

毎日が喧嘩の日々だった…みたいな?

どうせまたブスって言われるし

無視無視!と歩き出すが



『…ハァ…私って本当にお人好しだよね』



自他ともに認めるお人好しな私は

ほっとけ無くて来た道を戻る

…そう!これは、あれよ!

あのヤンキーくんがイケメンだから!

そうそう、だから仕方ない!

自分に都合のいい理由付けをして

少し駆け足で戻る



『また喧嘩ですかー?』



声をかければ薄らと目を開けて

こちらを見る



「…またお前かよブス」

『語彙力ないのか』

「いいからほっとけ」

『私お人好しだからほっとけない性分なの』



自分の鞄を漁り絆創膏を出す



『触ると怒るからこれ、置いてくね』

「要らねぇって言ってんだろ」

『はいはいすみませんね、じゃあさよなら』

「あ、おい!」



昨日よりかは罵倒されなかった、かな?

でもやっぱり綺麗な顔だったから



『イケメンは癒されるね〜』



もうちょっと丸くなればモテるだろうに。と

顔の良さが性格の悪さを上回った

私ってチョロいなと笑ってしまった


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