妖狐の末裔の狐森くんは、嬉しいと狐の耳が出てくる

今だけは青春


曲が始まり、照明が変わった。

まるで、水面のような雰囲気の照明がステージを照らす。


曲が進んでいくたびに

終わりが近づくたびに

西村は涙を止めれない。

そして、キラキラした視線も止まらない。

そんな西村を見つめつつThe tansansuiの曲に勇気をもらった狐森。


〜♪
青春よ、今だけは楽しいとこだけ教えてくれよ
夢を見させてくれよ
今だけは青春!でいさせてくれよ
〜♪


人の間をかき分けて、西村のそばへ。

だけど、気づかれないように適度に距離を取る。


そしてラストのサビへ。


〜♪
今だけは  
〜♪


全ての音が消えて数秒後。


〜♪
今だけは青春よ、僕らの味方になってくれ
何者でもない、何者にもなれない僕らの
〜♪


音が出た瞬間にステージの上から半透明の青や水色のフィルム用紙が垂れ下がり、風でそれが舞う。


そこはまさに"澄んだ青春"を具現化した場だ。


〜♪
今だけは青春!で、いさせてくれよ
〜♪


曲が終わると鳴り止まない歓声に拍手。

西村も涙を拭いながら、必死で拍手をした。


一条「ありがとうございました」


幕が降りている最中。

耳が出た狐森が西村の元へ。

西村「…琥太郎」

狐森「青春したいです。先輩と」



手を繋いでその場からいなくなる2人の様子が一条はステージから見えて

一条「光らせてくれよ、青春」

最後に言葉でそう言った。
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