妖狐の末裔の狐森くんは、嬉しいと狐の耳が出てくる
紙吹雪
西村は立ち上がって、スカートのポケットに手を入れて、その手を高くあげた。
狐森「わっ」
舞い上がる、淡い青や濃い青の紙吹雪。
狐森も立ち上がる。
西村「ステージ演出で使わなかったやつ」
ふふっと笑った。
風に乗って舞う紙吹雪を見上げていた2人は、気がつけば目が合った。
そして、その紙吹雪の中にいる好きな人に一歩ずつ近づいて狐森が顔を斜めにした。
そして、目を瞑る西村。
2人の唇がくっつくと思ったとき、2人の間に紙吹雪が挟まって、それを邪魔した。
2人が少し離れてその紙吹雪は落ちていった。
至近距離で笑い合う2人。
そのときに、西村は狐森の服を掴んで背伸びをして触れるキスをした。
イタズラに笑う西村と驚いた表情の狐森。
西村「ふふ。笑」
狐森「もう一回です」
西村「え?」
狐森はいつの日かと同じように西村の頬に手を当てて、ゆっくり近づく。
互いが今からキスをするんだ。
そう認識した上で、キスをした。
今度は至近距離で見つめ合う。
狐森の頭には耳が表れていた。