妖狐の末裔の狐森くんは、嬉しいと狐の耳が出てくる

意思疎通


○保健室


狐森「文化祭が終わったら、僕とデートしてください」


○デートの日(現在)

昼前の駅


狐森「あ」

西村「あー!」


待ち合わせ場所以外は何も決めずに、何も話さずにこの日を迎えたのだか2人とも互いが選んだ服を着てきていた。


西村「よかった、私だけだったらめっちゃ恥ずかしかった」

狐森「僕も思ってました。でも、これですよね」

狐森は西村が選んだ服を見て、嬉しそうに笑った。


行き先も決めずに、ぶらぶら歩きながら話す。

西村「このデートより先に恋人になっちゃうなんてね」

狐森「確かにそうですね」



信号の待ち時間。

西村「ん!そうだ、じゃーん」

西村はスマホのロック画面を狐森に見せた。

なぜなら、あの文化祭で撮ったクリームソーダを運ぶ狐森の写真をロック画面にしているからだ。

狐森「え、いつの間に撮ったんですか!
ちゃんとした写真にしてくださいよ」

西村「琥太郎をロック画面にするのはいいんだ」

やった、と笑う西村。

狐森「確かに、それも恥ずかしいです!」

西村「ちゃんとした写真にするから、ね?」

納得のいかないような表情の狐森。


信号が青になり歩き始める。


西村「やっぱり、ここだね」

行き先を決めずに行き着いた先は、2人がよく行った喫茶店だった。
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