あの道を、貴方と。

(ふわぁ、ね、眠い・・・)

朝。わたしは隙間から差し込む日光の光で目を覚ました。

「ここどこ・・・って、タイムスリップしてたっけ」

そうだったそうだった。うん、状況把握完了。

わたしは軽く背伸びして筋肉をほぐした後、大通りに足を運ぶ。

(え、はやっ・・・・!)

大通りに出てみると既に起きて外に出て来たり、煙が上がっていたりしていた。え?

(あーそういえば、今の時代って電球とかないし、蝋燭とかも高級品だから・・・)

スッキリしてすれ違うお母さんたちに「おはようございます」って言ってみる。

「おはよう・・・ってみない顔だね?どこから来たの?」

え?ちょっと見ただけでここ出身じゃないってわかるの?マジか・・・

(え、な、なんて言おう・・・そうだ!)

「えっと、少し南の方から。近くに知り合いの家があって・・・日光に行く予定なの」

「あら、そうなの?一人で?」

「い、いえ。父と一緒です。まだ父は寝てて・・・」

「そう。最近は安全になってきたけど道中、気をつけなよ。あ、そうだ!」

その女性はハッと思い出したように家にもどる。どうしたんだろう?

「これ。お守りにあげるよ」

その女性が手に持っていたのは桃色の綺麗なお守り袋。

「え・・・⁉︎そんな!貰えませんよ!」

初めて会った人にこんな大事なもの渡して大丈夫なの⁉︎

「いいんだよ、貰ってくれ。本当にあげたい子は、もういないからさ。せめて貰ってくれるかい?そんでもって、それを持ってお参りしてくれたら十分さ」

(・・・!)

わかった。多分、この人の娘か息子はもう・・・この世にいないんだ。

「・・・わかりました。必ず、お参りします。この、お守りと一緒ねに。えっと・・・」

「鈴だよ。娘の名前はゆき」

「鈴さん。ゆきさんの分まで、お参り、してきます。報告、楽しみにしていてください」

「えぇ、楽しみにしてるよ」

なんか、会って早々結構重い話を聞かされたような気がする。うん。

(でも・・・鈴さんと約束したことは絶対に果たしたいってことで・・・)

「まずは、行こう。日光へ!」


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