キス、KISS、キス!─異端者と呼ばれた追放死刑の村娘、2つの顔を持つ俺様陛下の溺愛キスで幸せお腹いっぱいです!

副団長とくちばしキッス


副団長の大暴れで、予期せぬ訓練も踏まえた。だが、死の森での実地訓練は続いた。陣営を守る盾魔法が消滅した状態での、夜営訓練である。


どこから大蜘蛛が襲ってくるかわからない冷や冷や訓練だ。


盾魔法消滅状態ではくちばしマスクが常時外せない。だが、ローブを着用しフードを被っていれば簡易的にくちばしマスクの中で食事が可能なのだ。


サーシャは狭いくちばしマスクの中で食べやすい小さなパンを配給する任務に精を出した。


「はい、皆さんどうぞ!」

「ありがとうございます、サーシャさん」

「あの、がんばってね、サーシャさん」

「その、副団長あんな感じですけど、悪い人じゃないッスよ」

「癇癪起こすくらい真剣なんだと思います」

「応援してますサーシャさん」


疲れ切った表情の団員たちから、サーシャはエールをたくさんもらって苦笑いした。めちゃくちゃ八つ当たりされたのに副団長をフォローする騎士団員たちは優し過ぎた。

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