キス、KISS、キス!─異端者と呼ばれた追放死刑の村娘、2つの顔を持つ俺様陛下の溺愛キスで幸せお腹いっぱいです!


焚火で明かりを灯し、団員たちはそれぞれ定間隔を開けて待機している。どこかで襲撃があれば、退避する部隊と足止めする部隊に役割分担されていた。


そんな緊張の夜営訓練の中で、緊張感のかけらもない男、それがレオナルドである。


サーシャのお食事係の任務が終われば、レオナルドが待ち侘びたお食事キッスの時間だからだ。


サーシャがお食事任務を終えてホッとしていると、くちばしマスクのレオナルドが目の前に立った。目の前にドーンと立たれるともはや壁だ。


「サーシャ、補給の前に、さっきの話の続き」


全団員が聞き耳を立てていた。だってレオナルドがこの話を始めたのは、全員が定間隔で待機しているど真ん中だからだ。


(なんでこんな場所で返事を聞きに来るのか、この男は!!)


人目などまるで気にならない。いや、自己顕示欲の強そうなこの男ならむしろ皆に見せつけたいくらいの欲があるような気がしてきた。


「ほら返事」

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