キス、KISS、キス!─異端者と呼ばれた追放死刑の村娘、2つの顔を持つ俺様陛下の溺愛キスで幸せお腹いっぱいです!
今は停滞している竜巻が縦横無尽に暴れ始めればすべてが無に帰る。
竜巻に囲まれるレオナルドもカルランも死が具現した圧巻の光景に絶句である。神殿の石の床がビシビシひび割れて消滅を始めていた。
「レオさんを傷つけたこと!謝ってください!」
大量生産の訓練を続けてきたサーシャには、食事500人分の再現も、十の竜巻も仕組みは同じであった。
レオナルドでも一度に一つの竜巻生成が限界だ。それで化け物と呼ばれる世の中において、可愛い婚約者は竜巻を大量生産できるという。
(俺の婚約者、実は俺より強かった……最高かよ)
キレたら怖い婚約者の顕現にレオナルドは胸が打ち震えた。感動すら覚えた。もっと惚れたことは言うまでもない。サーシャがさらに竜巻を増やすと、カルランの瞬きが猛烈に増えた。
「待て、わかった。話をしよう」
「まず謝ってください!」