キス、KISS、キス!─異端者と呼ばれた追放死刑の村娘、2つの顔を持つ俺様陛下の溺愛キスで幸せお腹いっぱいです!
サーシャの再現魔法がカルランを一瞬怯ませたほどに強いとはいえ、サーシャには魔力切れがある。カルランの底の見えない強さを警戒するレオナルドはこの場に従うことを選んだ。
サーシャはレオナルドをカルラン様の前に座らせて、祈りの態勢をとり、カルラスープを出現させた。
「おおー!!これじゃこれじゃ!これが食べたかったのじゃ!!」
カルランは大きな赤い翼を器用に使ってスプーンを使い、スープを食していく。サーシャは一応、レオナルドの分も用意したが、全身傷だらけで食べられる状態でもない。
「なんじゃお主、我と食事ができる絶好の機会を逃す気か?」
「あいにくお前にやられて何も入らないに決まってるだろ」
「貧弱な男じゃ」
カルランがバサッと大きく赤い翼を振って風を起こすと、風がレオナルドの周りを舞ってレオナルドの傷を癒していった。
「これで食えるじゃろう?我は久々に誰かと食事をしたい気分なのじゃ。サーシャ、おかわりじゃ!」
「は、はい!」