キス、KISS、キス!─異端者と呼ばれた追放死刑の村娘、2つの顔を持つ俺様陛下の溺愛キスで幸せお腹いっぱいです!
サーシャがぺこりと頭を下げると、座ったまま大きな体で伸びをするレオナルドがカラッと笑った。
(どう動かしても顔の造形が恰好よすぎる。笑ったら可愛いとか、もはや罪。禁固にした方が世のためでは?)
眉目秀麗、容姿端麗を体現するレオナルドだが、笑えば可愛いのがサーシャの目に眩し過ぎた。
「お前の魔力大食いは、マジでビビった。俺の魔力全食いとか相当だぞ?」
「ルテさんも言ってました。レオさんの魔力って国で一番多いって」
「それな。国で一番、化け物じみて強いのも俺だから」
「化け物?」
レオナルドはケラケラ笑って、宝石の青い瞳が好奇心に爛々と輝かせた。
「俺をキスで腰砕けにして失神させた女とか、お前が初めて」
「それは……光栄です?」
「誇って良し」
俺様を卒倒させたんだからと笑うレオナルドは、ぶ厚い手でサーシャの頭を撫でくり回す。