忘れられた恋の物語
手を繋いで汽車に乗り込むと、斗亜が私にぴったりとくっついて座った。

彼の行動1つ1つに胸が高鳴っている自分がいた。

出発のベルが鳴って汽車が動き出すと斗亜が私に顔を寄せた。


「この前も楽しかったけど、今回はもっと楽しい。柚茉と手を繋いで乗れてるからかな?」


斗亜のこのストレートな物言いには慣れることがない。毎回ドキドキしてしまう。私ばかり彼にそうさせられているような気がして、少しでも斗亜をドキドキさせたかった。

だから勇気を出して繋いでいた手の指と指を絡め、恋人繋ぎにする。

斗亜が驚いたように手をじっと見た。

反撃が成功したようだ。

ニコリと笑って見せると斗亜も微笑んでさらにぎゅっと私の手を握り、もう片方の手で私の手の甲を撫でた。

その自然な動作に、私は結局またドキッとしてしまうのだった。

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