忘れられた恋の物語
私だって斗亜と一緒にいたい。

でも頷く勇気が出なかった。今日一晩中2人きりで過ごしたら、私は本当に斗亜を忘れられなくなるだろう。

いなくなる人をもっと好きになるのが怖かった。


「私、勇気が出ないんだ。もっと一緒にいたらきっと斗亜に自分の気持ちをいっぱい話しちゃうはず。そうなったら…。」

「うん?」

「…言葉にしたら気持ちがもっと大きくなるかも。」


いや、絶対に大きくなる。その後1人になったら耐えられるはずがない。

こんなに人を好きになったのは初めてだ。なぜなのか理由もわからないけれど、どうしようもなく斗亜が好きだ。


「…それなら俺が酷い手を使うよ。」

「…どういう意味?」


斗亜は私の後頭部に片手を置くと強く引き寄せた。体もより一層強く抱きしめられる。

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